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世界一頑張った猫

(長いので、おイヤな方はスルーして下さいm(_ _)m)


我が家の飼い猫シロコが、先週8月30日土曜日の晩、
神様のもとへと旅立ちました。

シロコは2年4ヵ月前から慢性腎不全で闘病生活を送るようになり、
加えて5ヵ月ほど前に右上顎に悪性腫瘍が見つかり、
ガンが悪化してきた7月くらいからは、壮絶と言っても過言でないほどの毎日でした。

随時ブログでシロコ情報を上げようと思っておりましたが、
世話に時間を取られる上、悲惨な状態のシロコの様子を文章にするのが上手くまとまらず、
作っては消し、作っては消し、となっていました。

7月の中旬くらいからは、腫瘍に押し上げられた右眼球が飛び出し、
そのまぶたからは血と膿が流れ出て、頬も腫れ上がり
しまいには皮膚を突き破って、血膿が流れ落ちました。

かわいかったシロコの顔は、飛び出した眼球も潰れて収縮し、
右半顔が潰れて無くなったような状態にまで変わり果ててしまいました。

8月の最終週、シロコの容態は悪化の一路をたどりました。

25日の月曜日に受診したとき、体重が1.9キロに落ちて、食欲も徐々に落ちてきました。

この受診を最後に延命のための処置は止めようと決めて、
この日は点滴と爪きりをしていただきました。

29日金曜日の晩、もうあまり声が出なくなっていたはずのシロコが
「ニャオ~ン、ニャオ~ン」と、今までにない声を上げて、ゲージから出たがりました。

シロコは「ニャオ~ン」とか「ミャー」ではなく、『ピャッ』と鳴くんです。
そのシロコが今まで聞いたことの無い声で泣き続け、ゲージから出たがっていたので、
(そろそろ、本当にダメなのかな…)という思いが脳裏に浮かびました。

猫は昔から人間に、自分の死んだ姿を見せないといいます。
今の飼い猫は皆室内飼いなので、たいていの猫は死期が近付くと、死に場所を探してウロウロするそうです。

たぶんシロコもそうしたかったのでしょう。
でも、ガンに侵された脳のせいで、神経質で潔癖症だったシロコは、
糞尿まみれでも平気になっていたため、ゲージから出してあげることはできませんでした。

30日土曜日の朝。
シロコの声はもう出なくなっていました。

朝ご飯をあげようとゲージのキャスターを引いたら、その動きでよろけるシロコ…

ご飯を口に運んであげても、二口だけ食べて、あとは水も飲みません。

(夜まで持たないかも……)

植村に電話しました。
「シロコ、もしかしたら夜まで持たないかもしれないから、忙しいと思うけど今のうち会いに来て」………

ギリギリまで待ちましたが結局植村は来ないまま、
私も店に向かい、営業が始まりました。

その日は最終受付時間まで予約が入っていたので、店の終業が21時半。
シロコが心配なので、片付けを植村にまかせて店を後にしました。

“蛍の光”が鳴り響くスーパー・ライフに飛び込み、
シロコが大好きなエサと、娘がすぐ食べられる食事を購入して家に向かいました。

家に着くと真っ暗な部屋の中、もう一匹の我が家の猫、
ミリが寂しくて狂ったようにニャーニャー泣きながら、私達を出迎えてくれました。

電気を付けてゲージを見ると、ゲージに敷き詰めたペットシーツが顔に覆い被さり、
動かないシロコの姿が見えました。

(ああ!やっぱり間に合わなかった!)

とその時、娘が床に荷物をドスンと置いた音で、シロコの体がピクッと動きました!

「生きてる!シロちゃん!今ミリと真緒にご飯あげたら来るから待ってて!!!」

そう叫んで大急ぎで子供達の夕飯を出し、シロコのもとへ、

ペットシーツのめくれ上がったゲージの床が濡れている………
オシッコかと思ったら、それはシロコの目と口から流れ出た膿でした。

ゲージから出してあげるときも、ぐったりとして全く動かないシロコ。
見えるほうの左目に向かって私は叫びました。

「シロちゃん!お母さん!わかる?!」

するとシロコはあの『ピャッ』と鳴く口の動きで、私に応えてくれました。

「遅くなってごめんね!待っててくれたんだね!本当にごめんね!」

私の呼びかけに何度も『ピャッ!ピャッ!』と、もう出なくなった声で応えるシロコ………

「お母さん!シロちゃん、どうしたの?死んじゃいそうなの?」娘も夕飯を中断して、シロコの所へ来ました。

「真緒、おばあちゃんにお願いする!シロちゃんを助けてってお願いする!お線香付けてもいい?」

娘が必死に仏壇の私の母の位牌に向かって「おばあちゃん!シロちゃんを助けて!」と叫んでいる。

「ねえ!さっき買ったシロちゃんの好きなご飯あげたら治るかも!
お母さん!シロちゃんにご飯!」

ああ、そうだ!最後に一口でも何か口に………

スプーンでシロコの大好きなペットフードの汁を口へ……水も口へ運び

『シロちゃん!お母さん知ってる!シロコは世界一頑張ったよ!
世界中のどんな猫より頑張ったよ!だから……もう……』

そう声をかけると、シロコの心臓の動きが弱くなり、すうっと止まりました。

揺すっても、叩いても、反応しなくなりました。

『真緒ちゃん、もう、いいよ。ここに来て、シロちゃんにお疲れ様って言ってあげて………』

「お母さん……シロちゃん死んじゃったの?!シロちゃん!シロちゃん!シロちゃん!!!」

そこに植村から電話が入りました。娘の泣き叫ぶ声で事態を理解した植村。

「今…なんだね。間に合わなかった………」

娘が眠りに着いてから、シロコをお風呂に入れてあげました。

綺麗好きだったシロコです。糞尿で汚したまま天国には行かせたくなかったので、
死んだらお風呂に入れてあげようと、前から決めていましたので。

ドライヤーを1時間くらいかけて乾かしました。
死んでしまうと体温が無いせいでしょうか。なかなか乾かないのです。

シロコの棺に丁度良い大きさの箱があったので、
そこにシロコが大好きだった真っ白な、IKEAの肌掛けケットを箱の大きさに合わせて切って、
保冷剤を入れて遺体を安置しました。

9月2日の火曜日に火葬の予約を取り、シロコとお別れとなりました。

ペット葬儀社の方が棺をたずさえてやってきました。

「この布、とっても綺麗だから、このまま一緒に入れてあげましょうね」

遺体を棺に移し、お花、大好きだったネズミのオモチャ、大好きだったペットフード
そして、七夕に娘が願った『シロちゃんが元気になりますように』と書いた短冊を入れました。

人間の出棺の時と同じように、マンションを出発するときに
送迎車のクラクションを鳴らしてくれました。

火葬場は埼玉県の八潮の外れにありました。
火葬場でも全く人間の時と同じように、火炉の前には花が手向けられ、
お焼香もできるようになっていました。

骨も合い箸で拾い、ちっちゃな骨壺に収めてくれました。

その後、2年半近くお世話になった、カズキ動物病院へ、ご挨拶にうかがいました。

「シロコちゃん……こんなにちっちゃくなっちゃったんだなぁ……」

先生も看護士さんも、少し涙ぐんでいました。

そしてシロコが入院中に撮っていてくれた写真のデータを見せてくれました。

「現像しておきます」と先生。

ここにももう足繁く通うことは、なくなってしまいました。

シロコが旅立ってからの一週間。
正直、毎日泣き暮らしてます。

いつまで通院するのだろう、とか、いつまで世話をし続けるのだろう、とか、思ったこともままありましたが………

亡くしてしまったら、どんなに大変でももっと生きていて欲しかったなどと思い………
自分の身勝手さに呆れる毎日です。

このブログですが、本当はもっと短く、上手くまとめようと何度もやり直しましたが
シロコとの思い出が多すぎて、こんなに長くなってしまいました。

最後までお付き合い下さったかた、シロコと共に心からお礼とお詫びを申し上げます。

シロコは一週間前、私達の帰りを待って、待って、最後の力を振り絞って、
私にお別れの挨拶をしてくれました。

どんなに辛い思いで、私達の帰りを待ちわびていたかと思うと、切なくて胸が張り裂ける思いですが………

私はシロコを、『世界一頑張った猫』として、誉めてあげたいと思っています。
神様に毎日、次に生まれ変わってくるときには、病気をしない体に生まれ変わらせてくださいと、祈ってます。

星野シロコ

日本猫・雌・13歳
慢性腎不全と悪性腫瘍にて、2014年8月30日、22時35分永眠

うちのこの子、シロコっていいます…………














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