娘はいつの頃からか、何かごまかしたい時などに
「バブ」とか「バブー」と返事をしたり、語尾に付けて話すようになった。

例えば

「まおちゃん！これ片付けてないよ！」

『はいバブ』

「あらあら、大きな赤ちゃんねぇ」

『そうだよバブ。おばあちゃんになってもお母さんのバブちゃんだよ』

「まおがおばあちゃんになった頃にはお母さん、死んでるわよ」

『そうだねバブ。でも一生バブバブ言うから』

と言った具合。

それでも最近はあまりその『バブ』も聞くことは少なくなってきた。
ちょっと、寂しいお母さん。

ところがごく最近のこと。

『お母さんさぁ、死ぬ時、まおになんて声かけてほしい？』

「はっ？死ぬとき？
考えてみたこともないなぁ。なんだろう、うーん……」

『あのさ、バブーって、どうかな？……』

「バブー？あっ！それいい！笑いながら死ねる！(笑)」

『まおも言いながら笑っちゃうかも……(笑)』

「いいよ！それがいい！笑いながら送って！」

『了解バブ！』

久しぶりに、娘を抱きしめた。

うん、そうだね。バブーがいい。
だってお母さん次に生まれ変わってもきっと、ううん絶対……

真緒のお母さんになるから。